2010年01月28日

オーラの素顔 美輪明宏の生き方

美輪明宏さんの凄さの原点が分かる一冊です。

この本に寄せられた感想をお読みください。


徹底的な取材で明らかになった美輪明宏という人生のすべて。取材対象に対してプロとしての仕事を放棄せず、事実関係の確認は絶対に手を抜かないジャーナリストによる、ノンフィクション作品である。

もちろん取材対象に対する共感がベースにあるものの、対象を美化することも、取材対象のいうことを鵜呑みにすることもない。

その結果、本人も知らないという「美輪明宏像」を描くのに成功した。とくに美輪明宏を語るにあたって、触れないわけにはいかない霊(スピリチュアル)の話に対する著者のスタンスは、客観的であり絶妙というしかない。

美輪明宏の人生は、まさに文字どおり波乱万丈である。「彼」が歌うシャンソンの世界そのものであり、エディット・ピアフにも勝るとも劣らない、激しい、まさに壮絶ともいうべき人生。貧しさ、被爆、失恋、裏切り、絶望・・・・しかし決してめげることなく生き抜く強靭な精神力と生命力。そして復活。

現在の華やかな活躍だけを見ていたのでは、本当の美輪明宏はわからないのである。

「芸能界」と「霊能界」の双方にまたがって生きる美輪明宏という存在は、まさに「彼」自身の信仰そのものである観音菩薩になりきって、菩薩行を日々実践する人生なのだろう。圧倒的な存在は、まさにオーラそのものである。

毀誉褒貶(きよほうへん)あいなかばする存在、美輪明宏。
 
美輪明宏を必ずしも好きでない人も、一度は目を通すことをすすめたい。


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著者の豊田正義さんは「独りぼっち、飯島愛」(亡くなられてから出版)の時からうわさ話のレベルで書かないので、リアリティがあってノンフィクションライターとして質が高いと記憶していた。
(うわさ話のレベルで原稿の文字数を埋めていく著者も多いが)

今回たまたま豊田さんの作品だったが、飯島愛さんの作品以上に、生い立ちから恋愛遍歴交友関係とその背景、舞台や歌や作品が出来上がるまでの経緯が細かく調べられており著者の取材力は本当に驚かされた。
著者の感情を文章に入れないところもまた、豊田氏の良さであるような気がする。


いろいろな章があるが、私は著者の本音が一番垣間見えた「おわりに」という章が一番印象的だった。(ここでようやく著者の主観が見えた)

霊の話、美輪さんの力を純粋に表現して書けば書くほどに、ノンフィクションライターとしての力量と信頼、質を下げることになるのでは・・・・という葛藤が随所に表現されており 実にリアルな作家の気持ちであると思った。

事実だけを文章にしなければいけないという職業でありながら、確信のとれない霊力や人間力を含めてもどんどん美輪さんに惹かれていく自分をもう1人のノンフィクション作家の自分が冷静に見極めてセーブかけようとしている姿も、その葛藤が読者に伝われば伝わるほどに「美輪さんって本当にすごい人間なんだ」というのが間接的にこちらに伝わってきた。

事件ライターもいいが、私は豊田氏にはまた芸能人のノンフィクションを書いてもらいたいと思う。




オーラの素顔 美輪明宏のいきかた

オーラの素顔 美輪明宏のいきかた

  • 作者: 豊田 正義
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/11
  • メディア: 単行本




(内容)
初めて綴られる美輪明宏という人生の真実 スピリチュアル・ブームの伝道師、美輪明宏の知られざる足跡。故郷・長崎での被爆、赤木圭一郎や三島由紀夫との死別、江原啓之との出逢い。光と影の歴史を追う。
故郷・長崎での被爆。赤木圭一郎、三島由紀夫、寺山修司、田宮二郎との死別。死を意識させられた難病の克服。そして江原啓之との出逢い…。ブームからはうかがい知れない苦悩の日々と華麗なる交友録が、いま初めて、第三者の視点で綴られる―。


(感想)
5点★★★★★
意外なことに、美輪明宏についてこれだけ客観的に、詳細に書かれた本は初めてではないだろうか。

私は「紫の履歴書」「ああ正負の法則」など、美輪さんによって書かれたいわゆる「美輪本」は全て読破しているだけに、この「オーラの素顔 美輪明宏のいきかた」はとても新鮮だった。

従来の「美輪さん本」は、いわば美輪明宏の強烈な主観から成る独白や説法であり、客観的に見れば、強引な理屈や理論の飛躍と思われるようなくだりが決して少なくはない。

例えば「美輪さん本」には、「とにかく南無妙法蓮華経と唱えれば大丈夫」「今までいろいろ試したけれど南無妙法蓮華経が一番効きます」といったコメントが、何の脈略もなく、唐突に出てくることがある。

こんな時、美輪信者たちは、「美輪さんのお言葉だから」と、むしろありがたく胸に刻みお経を唱えるのかもしれない。

ちなみに、特に美輪さん信者ではないが、スピリチュアル本中毒の私などは、「おっ、美輪さん節が出た」などとおもしろがったりする。

ところが、この「オーラの素顔」を読むと美輪明宏の法華経との出会いから信者になっていく経緯、そして日々お経を欠かさず、例え舞台があったとしても節分には必ず法華寺での豆まきを欠かしたことがないといった敬虔な法華経信者としての美輪の素顔が詳細に書かれてあり、「美輪本」における唐突と思えるコメントが実は地に足のついたものであることに気づかされる。

つまり「美輪さん本」の中で脈略なく思われたくだりが、この「オーラの素顔」で初めて文脈としてつながり、美輪さんファンにとっては、「なるほど、そうだったのか」と膝を打つくだりが隋所にあるはずなのだ。

スピリチュアル・ブームの火付け役としての美輪明宏の描写も非常に興味深い。

「オーラの泉」とった番組がポッとできたわけでは決してなく、丹波哲郎をはじめとした、いわばスピリチュアリズムの同志たちが、長年試行錯誤を繰り返し、練り続けた悲願ともいえる番組である経緯が詳しく描かれていてる。

特に、「霊界の宣伝マン」と称して、生前ややきわもの的な印象だった丹波哲郎の、誠実で純粋な生き様を紹介しているくだりは不覚ながら泣けてしまった。

著者である豊田正義氏が、後書きで本書を書く上でもっとも苦労したことは、「霊の話しをノンフィクション作品の中で書き込むことの難しさに尽きる」と書いてるだけに、霊やスピリチュアル・ブームについて、批判するでも賛美するでもない、実に絶妙なスタンスを崩さず書き抜かれているあたりは、スピリチュアル本に対してやや食傷気味になっている私にっては、何とも言えないすがすがしい読後感があり、「一服の清涼剤」ならぬ、「一冊の清涼本」であった。

スピリチュアル・ブームの爛熟期である今、必要とされているのは、こうした誠実なノンフィクションなのだと実感する。

5点★★★★★
美輪さんの著書および対談などには
ほぼ目を通していて、今回の本も
迷わず手に取りました。

今までは美輪さんご自身によるものばかりでしたが、
第三者の目から客観的に語られる生まれた時から
現在までの美輪さん・・・。

それが驚くほどに丹念に調べ上げられていて、
様々な人にインタビューを行っている点、
いろいろな資料に丁寧に接している点など
当たり前かも知れませんが、感服しました。

そしてこれまた当たり前かも知れませんが、
文章が整理されていて大変読みやすく、
章の組み立て、時系列などの点でも
とても読みやすく、結構なボリュームのある本なのに、
とても面白くて、休日1日で読みきってしまいました。
本当は、面白い本だからじっくり読みたかったのですが。

著者の本は今回初めて接しましたが、
その情報を整理する力、筆力など
すべてに感服しました。

美輪さんという素材と豊田さんという著者、
そのどちらが欠けてもこの本は出来なかったと思います。
大変すばらしい本です。
美輪さんファンの方はもちろん、
「なんだか胡散臭い」と思われる方も
ぜひ手にとって見てください。

とても、読みがいのある面白い本でした。
読んだ後、なんだか気持ちが豊かになるような
そんな気がしました。



オーラの素顔 美輪明宏のいきかた

オーラの素顔 美輪明宏のいきかた

  • 作者: 豊田 正義
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/11
  • メディア: 単行本



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